現在の位置

平成30年度施政方針

1.はじめに

 本日、3月町議会の開会を迎え、平成30年度当初予算案並びに諸議案のご審議をお願いするにあたり、町政運営に関する私の所信の一端と施策の方針を申し述べ、議員各位並びに住民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 本町は来年田尻村誕生から130年を迎えます。吉見村・嘉祥寺村の間を流れる田尻川の名をとって田尻村となったこのまちは、代々の村民・町民の方々の地域発展への思いにより農業・漁業・紡績業など時代とともにかたちを変えながら発展を遂げてまいりました。近年では、下水道の供用開始、関西国際空港の開港、りんくうタウンのまちびらき、ふれ愛センターなど公共施設の整備、平成の合併協議など様々な出来事がありました。

 田尻町のまちづくりを預かる私たちには、こうした変化の波を乗り越え、先人たちから受け継いだこのまちを、より良いかたちで次代へ受け継いでいく使命があります。

 このおよそ1.5キロメートル四方の小さなまちが、130年の歴史の先に、これからも住みよいまちとして発展を続けるためには、互いを尊重し、人の気持ちを(おもんぱか)り、地域のためそれぞれが果たすべき役割を担うことが求められます。このため、新しいものや多様性を受け入れ、育てられる「寛容性を育むまちづくり」に取り組んでまいります。また、「未来への投資」を念頭に、時代の変化を的確にとらえ、常に斬新な発想と確かな実行でこれからの田尻を創ってまいります。

 

 町長に就任以来、このような思いのもとに進めてきた新たな施策は、人口減少が課題となる自治体が多い中、少しずつではありますが人口増加というかたちで成果が表れてきています。30年度におきましても、こうした流れを加速させ、「創造」をキーワードに新たな施策を展開し、「住んで良かった」「住んでみたい」と感じていただけるまちづくりに全力で取り組んでまいります。

2.重点取組施策

次に申し上げます5つの施策を重点取組施策と位置付け、実行してまいります。

 

(たじり8000人の大家族プロジェクトの推進)

 住民の皆様が「住んで良かった」「住んでみたい」と感じていただけるまちづくりを目指した「たじり8000人の大家族プロジェクト」を加速させてまいります。

 30年度においては、働く世代・子育て世代を応援するため、国に先駆け、また全国でも先進的な取り組みとして、3歳児から5歳児の幼児教育を給食費を含めて無償化いたします。また、町立幼稚園等における一時預かり事業を開始いたします。子育て世代の方々の多様なニーズに応え、子育てに関する不安や負担の軽減を図り、安心して子どもを育てられる環境を構築いたします。

 さらに小・中学校での実績を踏まえ、保育所・幼稚園においてICT環境を構築してまいります。これまで培ってきた心豊かな子どもたちの育成方針はそのままに、時代に即した新たな幼児教育を進めてまいります。加えて、校務の効率化を推し進め、職員一人ひとりが子どもたちとの関わりをより一層充実できるよう取り組み、保幼小中一貫したICT教育を実施いたします。

 また、町民税減税や移住・定住に対する助成制度に引き続き取り組み、8000人の大家族プロジェクトの推進を図ってまいります。

 

(みどりあふれる魅力ある都市環境づくり)

 町民憲章にうたわれる「きれいな海とみどりのまち」の実現を目指し、(仮称)りんくうポート北広場等の整備を引き続き進めてまいります。(仮称)りんくうポート北広場及びウォーキングコースは、人びとの集いや遊び、憩いの拠点として整備すべく、ワークショップ方式での住民参画により基本計画を策定いたしました。30年度では、設計業務及び用地購入を行い、住民の皆様に親しまれる広場づくりに取り組むなど緑化を促進し、良好な都市環境の構築に努めてまいります。

 また、町の玄関口であり、地域の活性化において重要な役割を担う吉見ノ里駅前周辺の整備を進めてまいります。鉄道事業者と駅舎のバリアフリー化や駅前広場の整備を行うためのより具体的な協議を行ってまいります。

 

(観光振興と交流ゾーンの活性化)

 今や、観光は日本の主要産業になってきました。関西国際空港の旅客数も昨年は2800万人に迫り、過去最高を更新しています。また、各地方においても観光により地域の活性化に成功した数多(あまた)の事例があります。本町には、多くの観光客が訪れる田尻漁港があり、都心にも近く、小さなまちでありながらも観光のポテンシャルは高く、可能性に満ちています。観光振興を積極的に推進するため、新しく発足する(仮称)泉州観光DMOと連携し、本町への誘客を一層図ってまいります。

 また、観光客の受け入れ環境整備としまして、田尻漁港周辺に公衆無線LANを整備し、来訪者の利便性向上を図ることで、さらなる集客と滞在時間の延長を目指してまいります。さらに、田尻漁業協同組合が漁家レストラン事業など新たな展開を図ることを受け、交流ゾーンの一層の活性化を支援するため、都市型漁業の振興を拡充いたします。

 加えて、泉州黄たまねぎ吉見早生の地域ブランド化を目指し、採種、生育管理など収穫量の拡大に向けた取り組みを引き続き推進いたします。

 

(生きがいづくり、健康づくり)

 住民の皆様にこのまちで元気に楽しく暮らしていただきたい。こうした思いから、生きがいづくりと健康づくりに一層取り組んでまいります。

 高齢者や障害のある方、また妊婦の方などが日ごろの暮らしにおいて、より便利に、より積極的に活動していただけるようコミュニティバスの運行に向けた準備を進めてまいります。泉佐野市との連携により、町内だけでなく、住民の皆様の日常的な生活圏域である泉佐野市内の駅や病院等を巡回できるよう協議・調整を行ってまいります。

 また、運動や交流による健康づくりを支援するため、交流広場への日陰施設の整備や児童遊園への健康遊具等の整備を行います。

 さらに、福祉と健康の中心施設であるふれ愛センター内に健康増進と介護予防などを目的とした運動施設を整備するため、事業計画の策定を行ってまいります。

 

(未来のまちづくりに向けた人づくり)

 活力あるまちづくりには、活発な地域コミュニティが欠かせません。地域コミュニティは、住民の皆様の地道な活動により支えられていますが、高齢化などにより担い手が減少し、活動が縮小しつつあります。コミュニティ活動は、地域のためのみならず、自己実現を可能にし、豊かな人生を送るための重要な要素になると考えられます。

 このようなことから、還暦を迎えられる方を対象に、新たな取り組みとして「還暦のつどい(還暦式)」を開催いたします。これまで仕事や生活に追われ、地域に疎遠になりがちな方々が今後我がまちで活躍できるきっかけづくりとして、講演会や地域活動団体等を紹介する場を設けるなど地域コミュニティの活性化につながるよう取り組みます。

 また、将来世界を舞台に活躍できる人材を育成するため、子どもたちが適切な時期に海外との交流を経験し、広い視野と豊かな国際感覚を身につけられるようグローバル人材育成事業の検討を進めてまいります。関西国際空港や関西国際センターのあるまちの特色を生かし、地域の国際化にもつながる事業展開を目指してまいります。

 

 以上を踏まえて編成いたしました30年度の当初予算規模は、

 一般会計 48億9,300万円

 特別会計 28億2,555万円

 合   計 77億1,855万円 でございます。

 

 以下、主要な施策について、その概要を申し上げます。

3.主要施策

(学校教育)

 小学校における32年度からの外国語科の本格実施に先立ち、30年度は一部先行して実施し、学年に応じた新たな教育課程を組み立ててまいります。本町では、これまでも標準的な授業時数に加え、積極的な時数確保により一層の学力向上等に取り組んでまいりました。今回の新たな教育課程の組み立てに当たっては、児童・生徒の健康管理などに配慮し、週間時数の増加を行わず、夏季休業日の短縮により対応いたします。

 また、本町の特色である国際理解教育や保幼小中一貫教育の推進につきましては、引き続き英検受験への取り組み、英語指導助手の配置などを推し進めるとともに、保幼小中相互の人事交流を行うなど、自らの力で新しい時代を切り拓き、国際社会においてもたくましく活躍できる子どもの育成に努めてまいります。

 さらに、安全で快適な教育環境を構築するため、引き続き中学校の非構造部材耐震改修や空調設備の更新を行ってまいります。

 また、学校教育の一環である学校給食につきましては、豊かな食事の提供により成長期にある子どもたちの心身の健全な発達を支えるほか、協調性や社会性を養うなど大きな役割を担っています。このため、30年度から一層の充実を図り、小・中学校で提供する献立の品数を4品目から5品目に増やし、多様な食彩を体感し、給食の楽しさをより深めていただけるよう努めてまいります。

 就学奨励制度におきましては、30年度小・中学校新入学生の保護者に対し、大阪府内でも先行となる新入学準備金の入学前支給を行い、学校生活の円滑なスタートの支援に取り組んでおります。

 

(健康づくり)

 町の健康課題である循環器疾患とがん対策の推進により健康寿命の延伸を目指してまいります。循環器疾患予防プロジェクトの最終年となる30年度では、これまでの調査や分析により対策を明確化し、エビデンスに基づいた健康づくりを推進してまいります。がん検診については、胃がん検診に内視鏡検査を導入するなど、より質の高い取り組みを進めてまいります。また、昨年「田尻町8000人の健康づくり」の一環として作成した「たじりっち体操」について、より多くの方々に活用していただけるよう一層推進するとともに、健康づくりをテーマとした催しも引き続き開催してまいります。

 母子保健におきましては、妊娠・出産・子育てにわたる支援を強化するため、最も支援を必要とする産後直後に宿泊型やデイサービス型等の産後ケアを充実させるほか、産後うつの予防や早期の子育て支援に向けた産後健診の助成を実施いたします。また、新たに新生児期の聴覚検査の助成制度を設け、聴覚障害の早期発見と早期支援に取り組んでまいります。

 

(高齢社会・障害福祉)

 「第7期高齢者福祉計画」及び「介護保険事業計画」に基づき、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、30年度からは在宅医療・介護連携推進事業を実施するなど、医療・介護の関係者間の連携強化を図り、地域包括ケアシステムを深化させてまいります。

 障害者及び障害児施策におきましては、「第5期障害者福祉計画」及び「第1期障害児福祉計画」を着実に実行し、ライフステージに沿った切れ目のない相談支援体制の構築に努めてまいります。また、障害のある人の権利擁護に向け、各機関の連携体制づくりを進めるとともに、成年後見制度の普及と利用支援に努めてまいります。

 

(地域・社会の支え合い)

 30年度より国民健康保険の運営が府域単位に変更されます。本町の国民健康保険事業は、これまで小規模であるがゆえの脆弱な保険財政基盤により、安定的な運営が課題となっていました。今回の広域化によって、保険料率の統一や保険財政基盤の強化により、持続ある安定した保険運営を目指してまいります。また、本町におきましては、引き続き特定健康診査の受診勧奨やジェネリック医薬品の使用促進、収納率の向上等に努めてまいります。

 

(安全・安心)

 昨年、泉州地域に大きな被害をもたらした台風など風水害への対策や北朝鮮による度重なるミサイルの発射、発生確率が引き上げられた南海トラフ巨大地震への備えなど、本町を取り巻く危機管理上の課題は一層緊迫の度合いを増しています。

 このため、防災行政無線局やJアラートの更新など防災関連通信体制のさらなる充実、地域防災力の中核としての消防団の育成、また自主防災組織の強化・拡充に努め、住民の安全・安心へとつながる体制整備を図ってまいります。

 また、田尻町防犯連絡協議会の活動を引き続き支援するとともに、防犯カメラを更新し、地域の防犯体制の充実に努めてまいります。

 

(都市整備、住宅・住環境)

 住民の皆様に安全な道路環境を提供できるよう、舗装改修工事や橋りょう修繕工事を引き続き実施するとともに、全町道の路面下空洞調査を30年度に完了させ、必要な対策を講じてまいります。

 また、良好な住環境を守るため、近年増加している空き家等の実態調査を実施いたします。調査結果に基づき、空き家の適正管理や利活用の促進等を取りまとめた空き家等対策計画を策定し、必要な対策を検討してまいります。

 

(生活環境)

 廃棄物処理につきましては、住民の皆様の利便性向上とごみの分別、リサイクルの一層の推進を目指し、30年度より粗大・不燃ごみ専用の10リットル袋を販売いたします。さらに、し尿処理について熊取町からの受託を含めた新たな広域処理に関する協議を進めるほか、新焼却炉の施設整備に向け、「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」の見直しを進め、一層の広域化を含め関係機関と調整を図るなど、より効果的な事業展開を図ってまいります。

 また、水道事業におきましては、配水管の改修工事など適切な維持管理により安全な水の提供に努めるほか、大阪広域水道企業団との経営統合に関して、配水施設の統合による経営の効率化や組織体制などについて協議・調整を行い、安定的な経営環境の構築を目指してまいります。

 

(行財政運営)

 住民の皆様の利便性向上を図るため、本年10月から大阪府より旅券発給に係る申請・交付事務の移譲を受け、住民課窓口で手続いただけるよう準備を進めてまいります。より身近な窓口である役場での取り扱い事務拡大により、住民サービスの一層の向上につなげてまいります。

 また、友好都市である宮城県大崎市との交流につきましては、ふるさと納税返礼品の相互連携や両地域のPR活動など、より具体的な地域間連携を通じて、互いに有益な友好都市関係の構築に努めてまいります。

 

(参画と協働のまちづくり)

 冒頭でも申し上げましたとおり、本町は平成31年に田尻村誕生から130年を迎えます。130年の歴史に紡がれた住民のまちづくりに対する思いを振り返り、現在を担う私たちの世代が、いかにして次代の田尻町を築き、受け継いで行くのかをともに考え、ともに行動する機会にしたいと考えております。30年度では、住民の皆様とともに130年の節目を控え、この先のまちの在りようを語り、歴史をつなげて行くための準備を進めてまいります。

 また、行政がもつ情報を住民の皆様に適切にお伝えし、様々なご意見に耳を傾け、対話を行うことは、まちの発展に欠かすことのできない重要な要素です。このため広報広聴事業につきましても、広報たじりやホームページなどの充実に一層取り組むとともに、昨年初めて開催した「たじり懇談会」を引き続き実施し、直接住民の皆様とまちづくりについて話し合える機会を設けてまいります。

 さらに、本町の魅力を発信するシティプロモーション活動につきましては、田尻漁港における観光事業のPRや地域の特産品である泉州黄たまねぎ吉見早生のブランディングなど、より具体的な取り組みを進めるとともに、昨年から関西国際空港内で運行しているラッピングバスによる本町のPRに引き続き取り組んでまいります。

 

 以上、平成30年度の町政運営に対する基本的な方針につきまして、ご説明させていただきました。本方針に基づき今定例会に提案させていただきました平成30年度当初予算案をはじめとする各議案につきまして、ご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

 

平成30年3月6日  田尻町長 栗 山 美 政

「Adobe Reader(Acrobat Reader)」ダウンロード PDFファイルを閲覧するには「Adobe Reader(Acrobat Reader)」が必要です。お持ちでない方は、左記のボタンをクリックして、ソフトウェアをダウンロードし、インストールしてください。

お問い合わせ先
企画人権課 
〒598-8588
大阪府泉南郡田尻町嘉祥寺375番地1
電話:072-466-5019
ファックス:072-466-8725